「大学を中退したい」と言われたら<後編>
さて、前回の記事の続きです。
先日、中退したいと言っている本人と話をする機会がありました。
まず、話をする前に、自分なりに準備をしました。
1.大学のHPを調べる
彼女の通っている大学のHPを調べ、大学の雰囲気やカリキュラム、就職状況を把握しました。
幸いにも、彼女と私は専攻が似ていたため、授業に関するアドバイスならそれなりに出来そうでした。
就職率や就職先は一般的な感じでしたが、中退率が思った以上に高くてビックリ。
ん~これは大学側にも問題アリなのかな…と思ったり。
2.質問の内容を考える
彼女に聞きたいことを頭の中で整理し、序盤は質疑応答形式で話を進めました。
また、その答えによっては突き詰めて聞いていこうかな、と思っていました。
3.中退することのデメリットについてまとめる
言葉で話しても忘れてしまうと思ったので、資料(と言えるほど大層なものではないですが…)を作成し、その資料に沿って話を進めました。
さて、話し合い当日。
席について1分。
私「はい、じゃあ早速本題だけど」
相手「えっ、早くないですか?」
私「(筆記用具を取り出す)」
相手「えっ…ガチじゃないですか」
私「うん、インタビューしていくからね」
相手「私そこまで考えてないですよ…」
私「(資料を取り出す)」
相手「えっ、ちょっ、待って、それ(資料)作ったんですか?!」
私「そだよ」
相手「自分で打ったんですか?!?!」
私「うん、今朝」
相手「えっ、今朝?!?!?!(唖然)」
目を真ん丸くした相手。
ぽやんとした顔で首をかしげる私。
そんな感じでスタートした話し合い。
話を聞く前までは、もしかしたら「こら!ばかもん!世間はそんな甘くないぞ!」などと怒鳴ってしまうのではないか…と思っていたのですが(笑)、実際は「あ~なるほどね~そうなるよね~うんうん」と共感するポイントも多く、非常に冷静な自分が居ました。
「正直に、また出来るだけ詳しく現状を話して欲しい」とお願いしたところ、彼女が予想以上に色々と話してくれたので、こちらも話をしやすかったし、単純に嬉しく思いました。
彼女が中退したいと思った大まかな理由は、
1.ちゃんと聞いているのに授業が理解できない。また、高校と違って大きなテストがないので理解度を測る術がなく、自分の到達度が分からない
2.分からないのに専門的な資格が取れるのか、また取れたとしても意味があるのか
3.そのうち学校に行くのが面倒になる、行かないからもっと分からなくなる…
というような、悪循環でした。
彼女は変に真面目に考え過ぎてしまっているのでは…と感じました。
こんな風に言うと語弊があるかもしれませんが、大学の授業って正直、とりあえず単位が取れればいいのです。
テストでどれだけ悪い点を取っても、出席日数がギリギリだったとしても、とりあえず単位が取れて、卒業出来れば、全部が笑い話になる。
就職に直結する資格もごくごく僅かで、余程のものでない限り、あってもなくても変わらない。
文系の場合は特に、学部学科は就職に関係ありません。(実際私がそうでした)
また、就職課は味方でも敵でもなく、利用する所であり、結局は自分次第だということ。
中退することのデメリットについて話している時は、私ばかり話してしまうと意味がないなぁと思い、要所要所で「これはどうしてだと思う?」「これについてはどう思う?」と問いかけるように心がけました。
彼女なりに精一杯耳を傾けてくれているように感じました。
…まぁ、ざっくりとこんな感じでお話しました。
あんまり詳しく書くと良くないのでこの辺で…果たしてこれで伝わったのでしょうか。
この件で、私が一番言いたかったことは「大学を中退するな!」ということではありません。
一番言いたかったこと……………それは敢えて明言しません。
感じ取ってくだされば幸いです。
私の場合は、これが今の自分に出来る最大限のことでした。
もしかしたら迷惑だったかもしれないし、自己満足だったかもしれません。
でも、私はこれでよかったと思っています。
学ぶこと・気づくことも沢山ありました。
彼女は何を思ったのでしょうか。
どんな決断をするのでしょうか。
それは分かりませんが、彼女の未来に幸多かれと願っています。
おしまい。